2007年 01月 30日
こないだ菅塩峠でやっぱりオレも迷宮に陥って山中をさまよっちまったんはこの記事の通り。で、けぇってみて、げきさかさんや楚巒山楽会代表幹事さんとメールをやりとりすると、「実際の菅塩峠は、2万5千分の1で示されている実線部分上にはなくて、実はもっと東に位置する」という結論に達したぃね。ならばもう一度、菅塩峠にいってみて、この迷宮の謎を解き明かしてやるんべぇ・・・って、前々から欲しかったGPS(Garmin Foretrex101)を購入しちまったぃね。このGPSで得たデータを、「カシミール3D」というソフトを使うと、どこを彷徨してたんか地図上で一目瞭然なんだぃね。もちろん予め目標地点を設定しておけば、その方角・距離も表示される。地点登録も可能で、迷ったらその登録地点までの道案内もでぎる。藪漕ぎの八王子丘陵にはもってこいのグッズだぃねぇ。最近は八王子丘陵もイノシシもまっさか多くいるみてぇなんで、自衛策としてイノシシ除けに効果があるんじゃねぇかとネットで書かれてたワンタッチ傘(黒)を○イソーで購入。オレの無線機は、ラジオも受信可能なんで、NHK(AM)を流しながら歩くことにしたぃね。 菅塩沼のほとりの駐車場に車を停めて、一路菅塩峠へ。さすがに2回目は迷わねぇね。・・・って傘を杖代わりにしてたら「バキッ!」と音がして、傘のプラスチック部(押すと開くところ)が割れちまって、傘が開かなくなっちまった(泣)イノシシ除けどころか、ゴミと化した傘を握り、山中を歩くハメになっちまったよ。「安物買いの銭失い」ってこーゆーことなんだんべね(泣)分岐ごとに地点登録しながら、奥へ進む。2週間前にはなかった杉の伐採で道が塞がれてるところもあったで。菅塩峠に到着。地点登録して、これで家でカシミール3Dで表示させる準備は整ったぃね。 雷電宮探索へ/雷電宮発見/雷電宮を角度を変えて 今日のもうひとつの目的は、げきさかさんたちに、「北金井の遊歩道脇に雷電宮の石祠がある」と聞いてたんで、その所在確認。先週、山中を彷徨して発見できなかった石祠。毛野時報にあった同一のもんなんか、それとも違うもんなんか。菅塩峠から北金井方面へ向かうと、遊歩道途中に「北金井砂防ダム方向」の道標がある。そこから急峻な上りを登って、下っていぐと・・・・あったよ!道の脇に、雷電宮(右側に「雷電宮」と彫られてる)! 新井信示「八王子山脈縦走記」(1936)ではこう記されてる。 (前略) 石尊山から約一キロで分水線上二百二十米の山頂に雷電様の石宮が有って「寛政十年戊午三月吉日願主金井惣村中」とあり、石宮の後ろに空洞の黒焦げになつた古木があったのでどうして焼けたのかなと思つて見た。雷電様があるから、雷電山というのであらう。此処からは南方遥かに懐かしい金山の全姿が見渡された。若し同行者でも有つたら互に感興を語り合ふべき処である。(後略)祠の左側をみてみっと・・・・確かにそう彫られてるように見ぇるんさ。・・・・この石祠はもともと山頂にあったんを誰かがここまで持ってきたんか?それとも同じもんが最初から2つあったんか・・・・謎は深まるべぇだぃね。 うちに帰ぇって来て、さっそくカシミール3DでGPSデータを読み込んで分析してみたで。【右図は、カシミール3Dで国土地理院「ウオッちず」公開データに、今回のGPSデータを読み込んだものを引用】 赤線が今日菅塩峠へオレが歩ったルート。最初のポイント(小旗)は、駐車場(出発点)、次は東屋の分岐。次は北金井への分岐。次は、前回オレが迷った所。そして菅塩峠。実際の菅塩峠はかなり東なんだぃね。国土地理院の地図では、2万5千分の一の地図で菅塩から広沢に抜ける道が実線で記されてるけんど、東屋で分岐したその道は、いつしか藪の中に消えちまうそうだぃね。菅塩峠が迷宮なんは「地図を信じて峠を目指すといつまでたっても峠に辿り着けねぇ」っつーことなんだんべねぇ。明治のころの地図をみっと、峠はオレの通ったところにちゃんと記されてるんだけんど、いつの測量からなんか、何らかの理由でルートが西になって、おそらく現地調査もされねぇまんまずっと発行されてるんじゃねんきゃ。道路地図なんかは、国土地理院の地図を元に作られてるせいか、ある会社の道路地図なんか、あたかも車が通れそうな幅で記されてるで。絶対車じゃ無理だから気ぃつけてくんないね。(足腰の悪りぃ人なら徒歩でも無理じゃんねん?) ちなみに雷電宮の位置は、図中の赤いマーカー。(北緯36度21分25秒98,東経139度21分01秒96") もともとは236m峰の上にあったんかねぇ。 それにしても「GPS+カシミール3D」は、なっから楽しいやぃね。 ■今度の土曜日夜、菅塩峠を越えた終着点、広沢の賀茂神社で桐生市指定重要無形民俗文化財「賀茂神社御篝神事(かもじんじゃみかがりしんじ)」っつー奇祭が行われるで。駐車場はあんまねぇから、菅塩沼に車を停めて、右上の地図のように峠を越えてったら、見に行げるで。でも道中、妖怪が10匹ぐれぇいるかもしんねぇけんどね。 【参考文献】 新井信示 「八王子山脈縦走記」 p9-11 『毛野時報』11号 1936 【重要な追記:2009年2月】 太田市教育委員会文化財課で「太田市地籍集成図」(昭和63年)を閲覧させてもらったんさね。これには「小字」が地割と共に詳細に記載されてたぃね。 ・菅塩沼から峠に行く場合、沼のあたりが「入口」、すぐ西にある小高い高まりが「鞍掛」、その北西が「西渓」、その東が「■谷」(■はつちへんに時) ・炭焼き小屋への分岐の道で「木戸」と「日向」に別れ、菅塩峠の道で東が「東渓」 ・雷電宮石祠は「松ケ沢」という小字にある。
by dr_suzuki
| 2007-01-30 15:01
| 東毛(+両毛)漫遊
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Comments(12)
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ざすっぱ
at 2007-01-30 17:18
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○イソーのワンタッチ傘は壊れやすいですね。白傘だけどバスの中で体重をかけたら金具が曲がって直そうとしたら、折れちゃいました。やはり買うならカインズホームの98円傘ですね。半年もっています。色はいろいろあります。桐生タイムス社出版の野山「あるきのヒント」に八王子山、茶臼山、琴平山、広沢賀茂神社のことが出ていますね。ちなみに定価は300円です。
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dr_suzuki at 2007-01-30 17:24
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torajiro-joshu at 2007-01-30 20:30
なっから良さげなもん買ったみてぇだいね。これがありゃ心強えやいね。
これからガンガン薮漕いで、レポしてくんない。楽しみにしてっかんね。
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dr_suzuki at 2007-01-30 21:06
▼寅次郎さん
「デジタルなおもちゃ」としては最高。 難をいえば、Foretrex101は画面上に地図がでねぇことかねぇ。 ・・・・今日も暖かかったんで、スギの花粉が飛びまくる日も近いんじゃねんかね? そうなったら、オレの低山巡りもはぁおしまいだねぇ。
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げきさかのぼる
at 2007-01-31 21:25
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遊歩道わきの石祠、雷電さまだったようですね。
前からおかしな場所にあるな、とは思ってましたが。
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dr_suzuki at 2007-01-31 21:48
地図好きのborbisです。
楽しく拝見させて頂きました。 菅塩峠の位置は↓ http://cyberjapan.jp/cgi-bin/openrect.cgi?x=139.3490282&y=36.360237 雷電宮の位置は↓ http://cyberjapan.jp/cgi-bin/openrect.cgi?x=139.350514&y=36.357224 のようですね。
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dr_suzuki at 2007-02-01 15:07
▼borbisさん
はじめまして。 どうしてこんなマイナーなブログがめっかったんかねぇ?(笑) 「地図も真実だとは限らない」が今回の教訓なんだんべねぇ。 でもいつ「本線」が西に移ったんかも不明なんで、郷土史をあたってみようと思ってらぃね。 ところで、「標高点」の名称ってどこかで調べられるんですか?>borbisさん
>「標高点」の名称
「標高点」と仰っているのが、国土地理院の設置した「三角点」や「水準点」の意味であれば、 「基準点成果等閲覧サービス」 http://sokuservice1.gsi.go.jp/ へ行くのが一番正確な情報を入手する方法だと思います。 私のブログやホームページで紹介しているMapionMateのブックマークレットでもこの「基準点成果等閲覧サービス」へ行けます。 「三角点」でも「水準点」でも無くてただ単に標高が記載されている場所(独立標高点)は、元々名称が無いので調べる方法も無いと思います。
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dr_suzuki at 2007-02-02 07:21
▼borbisさん
ご回答ありがとうございます。「点の記」までチェックは入れてあります。 「『標高点』については名称はありません」・・・とメールで問い合わせていた国土地理院から昨夜メールで回答がきました。 お役所も優しくなりましたね。
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イナオカ
at 2007-11-08 07:18
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スガショーっていう名前とずっと思ってましたが(時々遊びに行きました)、菅塩ってのが本当の名前だったんですね。軽い驚き&勉強になります。しかし、母校は甲子園にも花園にもなかなか行かないですねー。
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dr_suzuki at 2007-11-08 08:54
▼イナオカさん
山の麓なのにどうして塩なん?塩が取れるん?って思ってたんだけんど、内陸の塩が着く地名は「シボ(萎)んだ地形のところ」という意味が多いんだと。 |
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