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2016年 04月 02日
発見!岩窟の青面金剛 (太田市西長岡町)
発見!岩窟の青面金剛  (太田市西長岡町)_b0004675_0195850.jpg
太田双葉カントリークラブ・愛宕コース脇に
岩窟に収められた青面金剛(文化3年:1806年)
太田双葉カントリークラブ様のご厚誼により特別の許可を得て取材・撮影

 3月末、桐生みどりさんから驚愕のメールが届いたんさ。「太田双葉カントリークラブ内で青面金剛があるとの情報を得たので、交渉を重ねて許可をもらって見てきました。画像も撮ったのでお送りします」・・ええっ!なんだって!・・・これはすげぇ!!
 青面金剛については、この数年両毛地区の分布マップを有志の皆さんのご協力で作成しており、旧新田郡領域はほぼすべての青面金剛を網羅していると自負していたんだけんどなぁ。ゴルフ場内まではさすがに調査してなかったぃ。これはすげぇ発見だ!オレもなんとか見てみてぇもんだ。幸いなことに桐生みどりさんが太田双葉カントリークラブさんにオレのことも(石仏が好きな変人がいますと)話しておいてくれたっつー話だ。

 オレはゴルフは打ちっぱなし行って全く才能がねぇことを十分自覚してるんで、やんねぇしなぁ。どうしても見てぇんで、早速、太田双葉カントリークラブさんに電話で石造物を見せていただけねぇかとお願いしてみることに。ゴルフ場に「場内の石仏を見せてくれ」とはこりゃ酔狂の極みだんべなぁ。対応して下さった太田双葉カントリークラブのA課長に懇願し、3月31日夕方にアポイントメントを取っていただく。喜び勇んで仕事を時間休を取って、太田市西長岡町の太田双葉カントリークラブへ。場内の桜も5分咲きさね。

 A課長に不躾なお願いを許可していただいたご挨拶、自己紹介をすると、「ブログ見てますよ。よく調べてありますよね」とゆうまさかのお褒めの言葉を頂戴しちゃったぃ!うれしいやら恐縮するやら(笑)ゴルフ場内の石造物のところまでわざわざご案内いただいたで。

発見!岩窟の青面金剛  (太田市西長岡町)_b0004675_0194721.jpg
愛宕コースの脇にそれはあった

 
おおっ!岩窟に石造物が!!こりゃすげぇ!(感動)

発見!岩窟の青面金剛  (太田市西長岡町)_b0004675_0195775.jpg
岩窟入り口
八王子丘陵特有のやや青みがかった石に大きく岩窟が掘られ、中に石造物が安置されてるんさ。岩窟は向かって左に「庚申」の文字が彫られてて、右側には上の字が風化して欠落してるだけんど、「中」あるいは「申」が読めらぃね。
発見!岩窟の青面金剛  (太田市西長岡町)_b0004675_020369.jpg
岩窟内の石造物: 左・台座含む青面より/右・像を向かって右斜め前から斜位
朱に塗られた痕あり
『太田市石造美術調査報告書』(1976・太田市史編集室)には未収載!

 石造物は、一見すると六臂、右中手に剣、左手中手には羂索(ショケラではない)を持っている青面金剛と思われる。が、庚申塔に特有の日・月・三猿・二鶏もなく、踏んでいるのは鬼にみえない。しかし不動明王にしては背後に火焔がみえない。なんとなく青面金剛と不動明王をハイブリッド化したような像容である。
 台座には「文化三丙寅天 願主満海」と彫られている。(先発の桐生みどりさんが白墨で浮き上がらせてくれてたので、そのままで撮影) 庚申塔によくあるムラの講中が造立したのではなく、八王子丘陵は低山なんに「満海」とゆう修験者又は修行僧がいて、彼が建立した珍しいタイプと考えられらぃね。ここに篭って修行してたんだんべか?果たしてこの岩窟が掘られたんが19世紀なんか、あるいは近世のものなんかわかんねぇけんど、青面金剛が岩窟内に安置されてるんは太田地区では珍しいんで文化的価値がおーか高ぇと思われたで。

 A課長のお話では、太田双葉カントリークラブは昭和49年に開業したんだけんど、この部分は往時のままで保存してること、年に一度はお供えをして祀っているとのことだったぃね。すんばらしい!

 いやぁそれにしても嬉しくって青面金剛にかぶりつきで画像撮りまくってたんで、A課長にすっかりドン引きされちまったよ(笑)

発見!岩窟の青面金剛  (太田市西長岡町)_b0004675_020186.png
青面金剛の位置は紫の◇ :アプリ「Geographica」より転載
36°21'24.59’’N 139°20'16.89’’ 高度165.5m

 太田双葉カントリークラブでプレーするゴルファーの皆様、愛宕コースの脇のこの青面金剛にお参りすっとご利益でいいスコアが出っかもしんねぇよ(笑)
 
 情報を下さった桐生みどりさん、こんな怪しい郷土史家(自称)に心よく取材を許可していただき、更にはブログへの掲載も快諾してくださったA課長様、支配人様、はじめ太田双葉カントリークラブ様には心より感謝するで。ありがとうございました。旧新田郡域の青面金剛像はすべて網羅したと思っていたんだけんど、自分の不勉強と慢心を反省した次第さね。いやぁ八王子丘陵は奥が深ぇやぃなぁ。

 両毛の「青面金剛」 (GoogleMap)
 太田双葉カントリークラブ (公式)

【参考文献】
『太田市石造美術調査報告書』 太田市史編集室 1976



by dr_suzuki | 2016-04-02 00:44 | 東毛(+両毛)漫遊 | Trackback | Comments(6)
Commented by kanizirushi at 2016-04-02 13:28
すげえ!
すげえよすげえよ!
いやー、いいもんみっけましたなあ…
たまんねえなあ。
Commented by dr_suzuki at 2016-04-04 09:27
▼ねこさん
こういうマニアックな記事に、反応してくれる読者がいることに感謝(笑)まだ双葉CC内には未知の石造物があるんじゃねぇかなぁ。
Commented by kanizirushi at 2016-04-05 09:03
あのあたりは散々歩いたけどさすがに私有地は突入してないからなあ。
よくわからん山中にいきなり石祠とかいっぱいあるし。興味深し。
Commented by dr_suzuki at 2016-04-05 12:25
▼ねこさん
低山だから庶民が登るんにも楽だし、講の代参やプチ修行用の祠がいっぺぇあったんだと思うよ。
Commented by げきさかのぼる at 2016-05-03 01:05 x
遅いコメントで申し訳ありません。
いやあー、すごいなあ。まだ未確認の青面金剛像があったのですね。
写真を拝見しますと、あまり見かけない形に思えますが。
確かに腰から足の辺りの、ふっくらとした造形とか、顔の造りとか、あまり青面金剛らしくない感じがしますね。

双葉ですか、鳳凰とかも何かあるんじゃないでしょうか。気になりますね。私はゴルフとは無縁なので。ゴルフ好きの知り合いもいないし。
Commented by dr_suzuki at 2016-05-04 18:11
▼げきさかさん
鳳凰には「御嶽山古墳群」があるみてだよ。昭和初期の「毛野」に探訪した記録が載ってたのを見た記憶があり。行ってみてぇよね。でも鳳凰にコネまったくねんだよなぁ。(もしこのブログをご覧の鳳凰ゴルフの関係者の方いらっしゃいましたら、ぜひ見せてくんなぃ!)


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