2010年 09月 08日
桐生愛国飛行場跡 (みどり市笠懸町)
 以前、新田・市野倉の旧陸軍飛行場跡の記事を書いた時に、最後に「桐生愛国飛行場」とゆうのがあったと書いたら、quinoaさんからいろいろ教えてもらったぃね。

 「愛国飛行場」とは、1930年代以降の大日本帝国で献納された飛行場につけられた名称で、この辺りでは笠懸の久宮(くぐう)と鹿ノ川(かのがわ)にまたがる地区にあったんだけんど、戦争末期米軍の空襲で壊滅したんだそうだぃね。

 みどり市笠懸図書館でこの「桐生愛国飛行場」について調べてみたで。『笠懸村誌・下巻』(1988)に桐生愛国飛行場は約4ページにわたって記載されてらぃね。quinoaさんからご提供いただいた六区公民館落成記念誌『久宮村・桃頭村の歴史』(1990)には、その村誌を簡潔に要約した適度な長さの記事と字図の画像が載ってたんで、がんばって全文を打ち込んでみんべぇ。(数字と単位は半角に変換)下に図も引用。

桐生愛国飛行場
 久宮地区と鹿の川地区にまたがって広さ約50156坪(約165514㎡)の地に桐生愛国飛行場があった。これは昭和九年に造成に着手し、翌十年三月に国から非公式飛行場として許可され、使用が認められたものであった。この飛行場建設は桐生の森宗作(森喜作椎茸種駒開発者の父)が航空機の将来性に着眼し民間有志と共に航空事業に寄与したいとの念願から始められたものであった。ここに敷地が決まったのは森宗作氏の所有地がここの一部にあったことと、この事業に共鳴した当時の村長籾山邦衛氏(大字鹿の川)が、ここの用地の大半を所有していた等の事情から用地の取得が容易であり、付近には人家もなく特別な障害物もないなどの好条件からここに決定したといわれている。桐生には帝国飛行協会桐生支部があり、また市内にはグライダーの制作をしていた人もあり航空関係に関心を持つ人が多かったのであろう。
 この飛行場ではグライダーの滑空訓練から始まっていたようであるが段々軍事色が濃くなるに従って飛行学校生徒がフランス製アポロ式複葉機を使用して落下傘の投下試験やパイロット養成のための試験コースとして羽田、愛国飛行場間を飛んだりしたと言う。民間人の純粋な航空機に対する考えで発した飛行場であったが銃後に備える青少年の士気の高揚にと青少年学徒の連合演習場ともなった。
 終戦間際にこの飛行場が米軍機に空襲され格納庫が爆破され、隠してあった飛行機の一機が機銃掃射で完全に破壊され、飛行場とその付近は機銃弾の薬莢が散乱していた。先の大東亜戦争で空襲を受けたのは笠懸地内ではここ一ケ所であった。これによって飛行場の機能は完全に失われたのであった。その後この広大な跡地はしばらくの間放置され荒れるにまかせてあったが、やがて農地解放の結果11戸の農家が入植し、立派な農地に生まれ変わり、戦後の食糧不足を補うのに役立ったのである。この部落を人々は「就農」と今でも呼んでいる。

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 『鹿の川村伝記』(阿部悦男 1985)によれば、昭和9年秋に5万人を動員した陸軍の大演習があり、ここで最後の閲兵式が執り行われたとのことだぃね。

b0004675_17411148.jpg 掲載されてる字図の画像をみっと飛行場から東に行ったところの丁字路が現在のセブンイレブン久宮店の交差点にあたらぃね。右の画像は現在のセブンイレブン側からの道。この道の先にその昔愛国飛行場があったんだねぇ。
 
 今では、市野倉の飛行場と同じく戦後の開拓により、現地に桐生愛国飛行場の跡は見る影もなくなっちゃって、フツーの田舎の街並みになってて、画像に撮れるような戦争遺跡の画像もなく、ブログ的にもなんだかなぁと思って、すっかり「お蔵入り」記事になってたんだけんど・・・


 こないだネットをサーフしてて、とりさんのブログ「空港探索」の「群馬県・桐生愛国飛行場跡地」とゆう記事を偶然にも発見。そこに笠懸町鹿の「かどや公園」(旧・火鉢博物館)に「帝國飛行協會桐生支部」の石柱が保存されてるとゆうんには、まぁずびっくらこいたぃね。何度もそこの前を通ってるんに、全然知らなかったで!!

 そんなわけで早速、「かどや公園」に行ってみたで。あったで!石柱!

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「帝國飛行協會桐生支部」の石柱


 こんなもんが、ここにひっそりと保存されてたとは・・・きっとこの門柱は桐生愛国飛行場の中にあったもんなんだんべなぁ。笠懸の数少ねぇ戦争関連モノとしてしっかりと保存してってもらいてぇやぃね。

かどや公園 (Yahoo!ロコ)

※2012年7月追記
「かどや公園」は大きく整備されて、この石柱は公園東側の県道69号線沿い敷地内に移設されてるで。

【参考文献】
『笠懸村誌・下巻』 p272-275 笠懸村誌編集室 1988
『久宮村・桃頭村の歴史』 六区公民館落成記念誌 p57-58 1990
『鹿の川村伝記』 p116-117 阿部悦男 1985 (自費出版・みどり市立笠懸図書館献本)
『フィールドワーク 群馬の戦争遺跡』 p48 第10回戦争遺跡保存全国シンポジウム 群馬県実行委員会 2007
とりさんのブログ「空港探索」の「群馬県・桐生愛国飛行場跡地

【2015年追記】
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 みどり市岩宿博物館で、平成27(2015)年1月31日(土)~3月15日(日)まで、第59回企画展 『戦後70年 戦時下の記憶とくらし』 が開催され、桐生愛国飛行場の展示も行われてたんで、最終日の3月15日に行って見学してきたで。桐生愛国飛行場にあった飛行機の木製のプロペラが展示されてたぃね。(撮影禁止だったぃ)
 ついでに資料集を買ってきたんさ。東村防空監視哨跡 (みどり市東町花輪)の記事もあるほか、巻末に当時の桐生愛国飛行場の上毛新聞なんかの記事が載っていて興味深ぇやぃね。それにしても岩澤正作先生は、戦時供出される鐘の拓本を取ってたとゆうのは恐れいったぃなぁ。

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【参考文献】
 『戦後70年 戦時下の記憶とくらし』  p4-5 みどり市岩宿博物館 2015
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by dr_suzuki | 2010-09-08 17:48 | 東毛(+両毛)漫遊 | Trackback | Comments(8)
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Commented by snow_air at 2010-09-09 02:50
こんにちわ。
だいぶ前にお邪魔させていただいたことがあるのですが覚えていらっしゃいますでしょうか・・・
こっそり覗かせていただいていたのですが、地元のネタだったので思わず食いついてしまいました(*´ェ`*)
かどやは私が小学校の時に遊びに行ってました。懐かしいです。
知っている場所にそんな曰くつき(?)があったとはびっくりです。
久宮のセブンの近辺 線路下は昔から畑というか野良地でしたね。今もあそこ周辺だけ空き地が多い事が不思議でした…
子供のときはあそこを夕方自転車で通るのが怖かった覚えがあります。
あの周辺って色々ありますね…
とりせんの道向かい(十字路)はあまりの死亡事故が多くて碑がたってるし
50号のセブンの下は元々お墓だったから何も建てられないとか何とか。。。

今度群馬に帰ったときは、おじいちゃんに笠懸の飛行場の事を聞いてみようと思いました♪
Commented by dr_suzuki at 2010-09-09 15:55
▼sonw-airさん
ご無沙汰しております。
鹿の交差点から西は50号の拡幅工事が始まって、G銀もK信も取り壊しの上移転しちゃったんさね。
火鉢博物館も何年か前に取り壊されちゃって、「かどや公園」って名前になってるんさね。
次も笠懸ネタなんで期待してくんない!
Commented by quinoa at 2010-09-16 20:45 x
地元民かつ通学路だったんに、あまり意識してませんでした。
うちの親も戦時中にこっちに疎開してしていた世代なんで、すぐそこに飛行場があったなんて話は時折酔っ払いながら話はしてましたが。
両毛線のすぐ南に杉林が東西にのびていたんで、そこが飛行場の境界だったんかなぁと。たぶん今でもあるかもしれないです。
Commented by dr_suzuki at 2010-09-17 19:31
▼quinoaさん
おかげさんで何とか記事にでぎたで!あんがとー!
杉林ってあるっけ???
Commented by とり at 2010-09-30 05:39 x
ご訪問が遅れてしまいましたm(_ _)m
飛行場の地図付だと当時の実際の様子が非常に分かりやすくていいですね^^
関連記事に是非こちらからもリンクを貼らせてください。
Commented by dr_suzuki at 2010-09-30 06:52
▼とりさん
この記事ができたのも、とりさんとquinoaさんのおかげです。
ありがとうございました。
Commented by quinoa64 at 2015-03-08 16:49
お久しぶりですquinoaです。
岩宿博物館の企画展「戦後70年戦時下の記憶とくらし」で飛行場地図の実物やプロペラなど展示してました。15日までの展示のようです。
Commented by dr_suzuki at 2015-03-16 15:51
▼きのあさん
3月15日に行ってきたで。資料集も買ってきちゃったぃ!


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