2010年 01月 11日
かわご(カハゴ)石山といっても、『毛野』27号(1938)に以下のようにその名が記載されてるんと、地元の人の伝承でその名がある山で、太田市や桐生市発行のオフィシャルな文献に載ってる・・・ってわけではねぇんさね。 今回は此のコースの略半分を踏破して賀茂神社の南を流れる水源分水嶺の頂點から賀茂澤に下ったのであるが、(中略) かわご石越えから八王子丘陵主尾根に登り、西へと尾根を歩く。最初のピークには倒木があってベンチ代わりになって小休止にはちょうどいいやぃね。 こっから更に西に行ぐともうひとつ高いピークがあって、ここが「かわご石山」(一番上の画像)に比定されるところだぃね。藪くせぇし、こっからの展望は今ひとつだし、祠があるとか特徴もあるわけでなしってことで普通のハイカーにはそのまんまスルーのところだんべね。しかしここが『毛野』の「水源分水嶺の頂點」だんべから、こっからいきなし北斜面の賀茂沢方面に下りてぐんは、ちっとたいへんじゃねぇか?(結構急なんだぃね。子供連れのハイキングだったって書いてあるけど大丈夫だったんかな?) まぁせっかく日曜に来たんだし、山頂から無線でもやってみっかと無線機を取り出し、CQを数度出してみたが・・・誰にも呼ばれず(泣)仕方ねんでCQを出していた太田市新田の局と交信したで。運用地は「かわご石山」と言ってはみたもんの「・・・双葉ゴルフ近くの尾根にいます」と説明し直しておいたぃね。 こっから思うところがあり更に西へ。それにしても3年前にこの辺を彷徨した時には本当に藪だらけで、すんげぇ難儀したんだけんど、最近歩く人が多くなってきたんだか、尾根道は分かりやすいし、テープも張られてるし(しかも迷いやしぃところは行がねぇようにビニール紐も張られてる!)太田市のエライ人たち!里山風情を残すってゆうなら整備しなくっても今のままで十分じゃねぇか? 太田市ってこんな時代にまだ潤沢な金があるんだか、整備するとなると本当に情け容赦ねぇ(笑)からな。 今度は北に尾根道を進むと、樹にさっき見たのと同じ緑のテープあり。みっと「→カワゴ石北東に下る2分ぐらい」って書いてある。こっからも神籠石に行げるってことか。ちょうど「かわご石山」の北の谷だぃね。 じゃあちっと寄ってぐかっ!と道なき斜面(一部藪)を下ってぐと・・・あった!前方下の大きな倒木の先に、確かに神籠石を発見!こうゆうアプローチもあるんだねぇ。(ちっと難儀だけんど) よくみっと神籠石直上の倒木の更に上の方の谷あいの斜面に、枯葉に覆われたもうひとつ垂直の破面をもった石があるんが見ぇる。(下からみっとちっとわかりづれぇんだけんど。多分初夏の時には緑に覆われてて余計にわかんなかったかもしんねぇ) これはMURYさんが指摘してた『桐生市史 上巻』に以下のように記載されてるもうひとつの石なんかもしんねぇね。引用すっと その環境はその上部約三間隔てて高さ六尺一面平な破面をなし、下部巾九尺、上部巾七尺五寸、厚さ五尺余の珪岩塊峙立し右二岩の主軸は北六十度東の方向を指して磐境の感じのするところである。 『桐生市史 上巻』の記述は「高さ六尺」とのことだけんど、地面から出ているのはわずか50cmぐれぇみて。近づいてみっと、確かに平な破面があんな。・・・でもこれじゃとても「磐境の感じ」にゃほど遠いやぃね。(単なる埋まった石って感じだし) 記述が本当なら、この下にはまだ1m近けぇ平らな面があるってことなん?人の背ほどの峙立の石があって、前の方形の神籠石の姿とあわせりゃ、そりゃ俗人にも理解でぎるような「磐境の感じ」になるんだんべねぇ・・・でも覆いかぶさる倒木や大量の枯葉、埋んまってる土砂を取っぱらうんには、なっから骨が折れそうだぃね。 とゆうことで、神籠石周辺の神秘?に思いを巡らし、別れを告げて、再び藪を掻き分け主尾根に戻ってみた。そういや桐生タイムスに載ってた古地図も、かわご石の位置はかなり間違っていたけんど、石のそばから尾根に詰め上がる道が書かれてたっけ。 さらに北上すると、昨年かわまたさんの弔い登山で来た谷んところまで来た。確かここにも桐生倶楽部山の会の標識があったはずだけんど・・・と思ったらなかなか見当たらず。なんと標識を打ち付けてあった松の木が枯死し、途中でポキーり折れちまってて、標識は松の木の根元に置いてあったぃね。(古い地図は入長岡からこの付近に詰め上り、尾根伝いに賀茂神社方向へ延びる道が記されてらぃね。) ここで探索を中止、来た尾根を引っ返し、かわご石越えの峠から、車の停めてある菅塩沼に戻ったぃね。駐車場にはロウバイの花が咲いてたで。冬の八王子丘陵は枯葉ばっかで茶色べぇで、まっさか色に乏しい(笑)から、今年も黄色いロウバイの画像を載せておくんべぇ。 しかしマラソン大会の直後に、山歩きたぁ、自分でゆうのもなんだが、ほんとバカだぃなぁ。(笑)そういや天気のいい日曜だとゆうのに・・・誰とも山道で行き会わなかったで。本当に八王子丘陵は「寒山」なんだけんど、これが良ぃのやら悪りぃのやら・・・ 【下図は、今回の行程をカシミール3Dで国土地理院「ウオッちず」公開データに、今回のGPSのルートデータを読み込み加工したものを引用。真ん中のフラッグは、かわご石山のピーク(GPSでは標高226.5m) 青の●は神籠石、左・右のフラッグマークは桐生倶楽部山の会の道標】 (今回の探検は、これでひとまず了) 【参考文献】 賀茂神社の神籠石 (岩石祭祀学提唱地) 中曾根都太郎 「式内社賀茂神社中心の見學とハイキング」 p19-24 『毛野』 27号(第4巻第3) 1938 『桐生市史 上巻』桐生市史編纂委員会(編)桐生市史刊行委員会 1958
by dr_suzuki
| 2010-01-11 17:23
| 東毛(+両毛)漫遊
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Comments(8)
神籠石に残された謎は、この「磐境」と神籠石の上部にある「棚」という水溜りだと思います。
「磐境」は神籠石の背後にまるで屏風のように控えていたんでしょう。景色的にはいよいよまつりたくなってきますね。写真の塀のような感じ、こっちの方が全国的に呼ばれている「神籠石(こうごいし)」の雰囲気に似ていますがどうなんでしょう。 「棚」は石にできた水溜りなのか、土がくぼんでできた水溜りなのか判断に迷います。土のくぼみなら、もうここまで地形が変わっているから消失かな・・・?
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はにゃ
at 2010-01-11 23:53
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探索お疲れ様です。
実は私も9日(土)にかわご石に行ってました。1日違いでしたね(汗 私も誰にも会いませんでした。 紅葉の頃に行った時には目立つあの緑色のガムテープの表示は無かったような・・・・ 一連の記事を見て冒険者が増えてきたんですかね? レポにあるもうひとつの埋まった石、写真を見ると掘り起こしたくなりますね(笑) いずれにしてもあの状況では、かわご石も含めて定期的に整美しないと土砂やら倒木やらでまた埋まってしまいそうですね。 それではまた♪
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dr_suzuki at 2010-01-12 22:19
▼MURYさん
「磐境」なんか確かめてぇところなんだけんど、あれだけ倒木やらなんやらあると大の男数人で取り掛かっても半日はかかるんじゃねぇかと。 「棚」は石の上の窪みなんじゃねぇかと思ってらぃね。
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dr_suzuki at 2010-01-12 22:23
▼はにゃさん
ヒミツのスポットで人気があったりして(笑) 賀茂神社の神石なんで、賀茂神社から辿るんが正統なんだんべけんど、ただ見てみるっつーだけなら、カワゴ石越えの方が数段楽じゃねぇかな。 あそこちょうど谷なんで、整備しねぇと毎年土砂や枯葉で埋まっちゃうかもね。
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砂女
at 2010-01-17 21:12
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こんばんは。
本日神籠石、なぜか菅塩側からかわご石越えを越えて行ってまいりました。後の大石を色んな角度から撮影・観察。あのふたつはセットで神域だと思います。神籠石下の斜面から見上げるとこころなしかより神々しい(笑) 上に乗ってる大木2本は片付けるのに手強そうです。
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dr_suzuki at 2010-01-18 09:53
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terri-o at 2010-01-23 13:53
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dr_suzuki at 2010-01-23 15:37
▼terri-oさん
お久しぶりです。 整備は・・・されてねぇやぃね。 これが太田市側だと、金ふんだんにかけて場違いなキレイな道作っちゃうだろうけんどね。 こればっかりは桐生側で良かったんじゃねぇかと思うで。 |
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