2009年 05月 31日
神籠石をついに発見したとの連絡が、楚巒山楽会代表幹事こと、故・かわまたさんの奥方からメールが先月あったぃね。その顛末は「やまの町 桐生」の「神籠石発見!」でご覧いただくとして、まぁ春に「群馬県文化財情報システム」を信じてとんでもねぇところを掘ってた(笑)オレだけんど、かわまたさんの執念で、この世に再び神籠石がおでましになってうれしい限りだぃね。「やまの町 桐生」に掲載された画像をみると、こりゃなっからでっけぇ威容のあるもんらしいね。オレのめっけたんはあまりにも「プチ」すぎらぃなぁ(笑) かわまたさん奥方から連絡があり「5月31日にみんなで見学会をやりましょう」とのこと。木々の繁茂する季節になっと、八王子丘陵は蛇(マムシ)や蜂がいっぺぇなんで、単独行じゃ気が引けるけんど、桐生の精鋭の皆様とご一緒なら大丈夫だんべぇと、若輩ながら末席に加えてもらうことにしたぃね。 賀茂神社に8時半に集合。宮司さんのご高配で車を境内に停めさせていただぃたぃね。奥方はじめ、「あにねこ登山日誌」のあにねこさん、「ハイトスの里山山行記」のハイトスさん、「オッサンの山旅」のオッサンさん、「桐生山野研究会」の桐生みどりさん、MURYさんの「岩石祭祀学提唱地」掲示板から神社に造詣の深ぇ赤城おろしさん、などなど総勢男女合わせて9名。いずれも桐生や群馬の山行きサイトの有名どころ(笑)が集結!(hisiyamaさんが都合でいらっしゃらなかったのが残念!) これら方々とリアルにお目にかかれただけでも来た甲斐があったっつーもんだぃね。奥方が宮司さんに先日撮った画像をお見せすっと「これに間違いない!」とのお墨付きを得、いくつかお話を伺って、いよいよ出発。 さらに山奥へと進む/台待窪は左に/黄色の2重テープのある二股分岐は右に 天気は朝から小雨模様で、数日来の雨で山もすっかり水含み。途中まで車で2台でいったんだけんど、ぬかるみがきつくなって台待窪前から徒歩で向かう。(4輪駆動であれば台待窪までは来られるんじゃねぇかな)倒木があっちこっちにあるで。2週間前に一度訪れた奥方やあにねこさんによると、前回はこの倒木はなかったってことだぃね。わずか2週間でも山って変わっちまうんだね。さらに奥まで歩を進めっと、木々の緑がおーか深くなってきて、GPSは完全ロスト、警告の鳴りまくり。冬季と違ってさすがにこんな緑が深くなっとちゃんとした軌跡は取れねんべなぁ。 木に巻かれた黄色いテープがあって、ここの二股分岐は右に行ぎ、しばらく登ってぐと・・・ まさに神が降臨するにふさわしい石! みな感嘆の声! 奥方が制作した木製の「神籠石」のプレートを置いてみんなで記念写真とりまくり(笑) 確かに『桐生市史』の記述どおり、石の脇に水が湧き、沢の水源をなし、サワガニもいっぺぇいたぃね。 赤城おろしさんの祝詞で、酒で神籠石をお清め。 しっかしこれほどの石が約60年以上の間、歴史の隙間に陥っちまって、人々の記憶の遥か片隅にまで追いやられてたとはなぁ。かわまたさんの執念が天に通じて、ここに実り本当によかったぃねぇ。そしてこの石のつながりで、いろいろなみんながここに集ったとゆうのも何かの縁なんだんべ。 みんなで記念撮影して、下山。ゆくゆくは石の前にあの木製のプレートを設置するとのことだぃね。でも2週間前には、あんま木が覆ってなくてすっきりしてたそうなんだぃね。この辺は雨が降ったり、大風が吹いたりすると、地形やら周りの樹がどんどん変わっていぐんだんべなぁ。 帰ぇりに下ってぐと、最初の分岐のところにガードレールがあるんだけんど、そこに道標が隠れてあるんだよと奥方が教えてくれたぃね。みると「皇太子殿下・・」とか彫られてて(良く読めねぇ)、左側面をみっと・・・ こりゃ冬にこっから菅塩まで菅塩峠経由で行ってみるっきゃねぇやぃなぁ。 境内(上の画像の右端にある)に残る「休め石」。もとは愛宕山の東山裾にあったそうなんだけんど、約20年ぐれぇ前に氏子のみなさんで、丸太並べながら、ここまで運んできたんだそうだぃね。はぁすっかり苔むしてるけんど。 【右図は、カシミール3Dで国土地理院「ウオッちず」公開データに、今回のGPSのルートデータを読み込んだものを引用。今回は途中が衛星をロストしまくってて、ろくすっぽ軌跡がとれてねんさね。いちよー神籠石でもマーキングしてみたけんど図のフラッグマーク(北緯:36度21分40秒25、東経139度20分32秒50;標高189.5m)】 ちなみに神籠石付近でみんなして携帯みてみたんだけんどdocomoは「圏外」、auは「バリ3」で通話可能だぃね。見学してぇ人は単独行は避け(今日も本当にでっけぇ蜂(クマバチ?)が周りを飛んでてびっくらこいた)、しっかりとした山靴で。デジカメの補正が効いてて、結構明るそうに見えるけんど、実際はまっさか暗れぇやぃね。八王子丘陵主尾根から下って攻める方法もあるけど、結構な傾斜があるんで、雨上がりや落ち葉時期など特に注意。 最後に桐生市立図書館でめっけたんだけんど、1938年(昭和13年)の『毛野』の中に中曾根都太郎「式内社賀茂神社中心の見學とハイキング」という記事があって、その中に神籠石が記述されてたんで、引用して紹介するで。(太字はオレが強調) 中曾根都太郎 「式内社賀茂神社中心の見學とハイキング」 p19-24 『毛野』27号(第4巻第3)文中の「賀茂澤峠」って、初めて聞くんだけんど、今の2万5千分の一の地図の実線で示された峠(カワゴ石越え?)のことなんかな??それともこっから神籠石の上へ詰めあがって入長岡方面への峠(『廣澤町全圖』でかわご石から実線で延びている道)のことなんかな?? 中曽根氏は小学生他一行38名のハイキングだったんだそうだぃね。平成21年のオレたち9人のハイキングもなっから有意義だったで。 天国のかわまたさん、貴重な体験をさしてくれて本当にどうもあんがとね。 この石は歴史の隙間にもう二度と埋没させねぇよ。 【参考文献】 中曾根都太郎 「式内社賀茂神社中心の見學とハイキング」 p19-24 『毛野』27号(第4巻第3) 1938 【リンク追加(6/1)】 神籠石最終章 再び神は降臨するか (やまの町 桐生)
by dr_suzuki
| 2009-05-31 16:45
| 東毛(+両毛)漫遊
|
Trackback
|
Comments(6)
Commented
by
ハイトス
at 2009-05-31 23:45
x
こんばんは、ハイトスです。
本日はお疲れ様でした。 しかしUpが早かったですね。驚きました。 すずき@東毛さんがあれやこれやとマルチでこなせる理由が判った様な気がします。 何事も先延べしないで記憶が新たな内にテキパキとまとめて処理すると言うことですかね。 それにはやはり行動力ということでしょうか。感服です。 昭和13年の資料は又興味深いですね。 「通路が少し険悪であるが手近な好個のハイキングコースである」というくだりは70年前から八王子山稜がハイキングコースとして親しまれていた証ですね。 それでは又。
0
Commented
by
dr_suzuki at 2009-06-01 08:26
▼ハイトスさん
昨日はお疲れ様でした。 記憶が薄れねぇうちにまとめちゃーねぇとなー・・・と思い一気に書いたんだぃね。(資料は以前から用意していたんだけんど) 冬になったら菅塩から「賀茂澤峠」越えで攻めてみんべぇかって思ってらぃね。・・・その前に台風とかでまた埋んまっちゃちゃぁねんかと心配。
Commented
by
ざすっぱ
at 2009-06-01 12:57
x
大変興味深く読ませてもらいました。60年ぐらいで、祭祀が無くなってしまうんですね。さて岩石の種類ですが、チャートではないかと思って調べてみました。
「珪岩ウィキメディア・コモンズには、珪岩に関連するカテゴリがあります。珪岩(けいがん、quartzite)は、チャートや珪質砂岩が熱による変成(接触変成作用)を受けた変成岩。元の岩石に含まれていた石英(SiO2)が再結晶して大きくなっている。ホルンフェルスに含める場合もある。かつては、チャート(未変成)を表す語としても用いられた」 現在では珪岩が正しいようです。
Commented
by
dr_suzuki at 2009-06-01 13:29
▼ざすっぱ先生
ご高覧ありがとうございます。 日本で今いくつの祭祀がなくなっていってるんかねぇ。まぁ60年ぶりに歴史の表舞台に戻っただけでも神籠石は幸せ?なんかもしんねぇね。 オレは岩石については全くの浅学なんで、残念ながら説明文読んでもチンプンカンプン。
Commented
by
sanzokuame at 2009-06-01 22:06
まずはお疲れさまでした。
銀色に光るその表面を拝んでまず感じたのは、埼玉・金鑚神社の「鏡岩」に似てるなぁと。 http://sanzokuame.exblog.jp/1863739 どんな地質学的な成り立ちなのか、それともやはり神の為せる業なのか?^^ 興味は尽きませんね。
Commented
by
dr_suzuki at 2009-06-01 22:21
|
無軌道庵へようこそ!
CALENDAR
カテゴリ
タグ
東毛漫遊~太田・新田(276)
ザスパ・HOME参戦(207) 東毛漫遊~桐生・みどり(206) 東毛花めぐり(142) 東毛の神社・寺院・石仏(104) 八王子丘陵(96) 東毛漫遊~館林・邑楽(82) 東毛漫遊山歩き(74) 新田氏関連史跡めぐり(65) 男の修行~マラソン大会参戦(65) 東毛の鉄道(45) ザスパ・AWAY遠征(27) 東毛の古墳(27) 東毛のローカルフーズ(27) 両毛漫遊~佐野・足利(23) スポーツ観戦(ザスパ以外)(20) 東毛の戦争遺跡(12) 標語こけし(10) 東毛関連の本(9) このブログつながりの本(9) 東毛(+両毛)の地酒(4) My Bookmark
※ブログに掲載した情報や画像は執筆当時のもんさね。記事の続編や補足がある場合は、記事の一番下に追記してるんで見てくんなぃ!
□Bandit's Rain □Bandit's Rain2 □電撃!激坂調査隊が行く‐東上州ヒルクライム日記‐ □やまの町 桐生 □埼群古墳館別館 □庚申塔を訪ねて □【庚申塔】青面金剛像を撮る □群馬県太田市★馬頭観音のブログ □石神・磐座・磐境・奇岩・巨石と呼ばれるものの研究 □山紫水明 □神社ぐだぐだ参拝録 □路上なんさね。 □RUNNET □撮って、食べて、走って...。 □温泉ときどきマラソン □taca blog □ザスパクサツ群馬オフィシャル □JFLNews.com □草津日和。~東毛より愛をこめて~ □five minutes □maison de kota □鈴木酒販 □ウェザーニュース □川の防災情報・国土交通省 □マッピングぐんま □歴史的農業環境閲覧システム □地理院地図 《■小生が管理運営しているサイト》 ■医療人のための群馬弁講座 ■なっから!ザスパ!! ■JN1BPM's Home Page ! ■JN1BPM's BLOG ! ■アマチュア衛星通信初心者のためのWiki 《Google Map 作成》 ■両毛の「青面金剛」 ■両毛の「二十二夜/十九夜塔の如意輪観音」 ■両毛の「馬頭観音」 ■両毛の「標語こけし」 ■両毛の「キリスト看板」 ■東毛は「うどんにワサビ」 ■両毛の「不動明王」 ■両毛の「医療系石造物」 メールは以下まで gunmaben●hotmail.com (●を@に替えてください) 記事ランキング
フォロー中のブログ
yosuieの模範的群馬...
エキサイトブログ向上委員会 Bandit's Rain 自転車、好きです。 はなの人生マラソンまぜごはん こころの目でみる トホホの中年日記 JN1BPM's BLOG ! BCL再入門 フユビヨリ HEAVE TO ゆるぷち日和。 Bandit's Rain2 撮って、食べて、走って...。 洋食屋田能久店主戯言 二ノ巻 温泉ときどきマラソン 最新のコメント
ブログパーツ
最新のトラックバック
ライフログ
方言監修したで
協力したんさね
ザスパサポ必読
人生に多大な影響
まっと群馬を
オススメ!
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 ブログジャンル
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
ファン申請 |
||